寝た子を起こす
子どもへの性教育の必要性を語ると、必ず言われる言葉です。
果たして、子どもたちは眠っているのでしょうか?
なかにはそんなケースもあるかもしれません。
しかしほとんどの子どもたちはおとなが思うよりずっと早く起きています。
しかも、多くの子どもたちはネットから流れてくる、好ましくない情報にさらされています。
正しい科学的な知識がないなかで、そのような情報にさらされた場合、どれが正しいのか、間違っているのか判断できません。
対等なパートナーシップと暴力的な関係の線引きも曖昧なまま、知識として積み重ねられていきます。
子どもの発達段階は様々で、その個性を尊重するなら、子どもの一番近くにいるおとな、親又は養育者が、発育に合わせて伝えられるのがいいでしょう。
もちろんそのおとなが子どもに性虐待をしない、性的搾取をしないことは言うまでもありませんが。
そのためにはおとなたちが、伝えるための知識を持たなければなりません。
隠語や幼児語ではない言い方で、笑ったり恥ずかしがったりせず、伝えられるでしょうか?
まずは、おとなたちが学ぶことの方が先決です。
性の知識は、恥ずかしいことでも、わいせつなことでもありません。
間違った認識が、恥ずかしいこと、わいせつなものにしてしまうのです。
虹色のたねが性教育に取り組む理由は、性暴力をなくすための予防教育としての位置付けです。
性犯罪の無罪判決が続くのも、司法関係者の無知からくるもの。
性的同意の本当の意味を多くの人が知らないこと。
被害後の対策も急務ですが、予防教育は被害を未然に防ぐ効果があることが国際セクシュアリティ教育ガイダンスでも記述されています。