先日、児童虐待防止法、児童福祉法、関連法案が可決され、来年四月施行が決まった。
幼い命が失われる事案が続いたことを受けたものだが、その抑止力はどこまで期待できるのだろうか?
未だに民法に監護者の懲罰権がある国というのも仰天だが、そもそもこの国は体罰容認派が七割にも及ぶと言われている。
体罰はしつけではない。
体罰がしつけになっていると誤認してしまう原因は
痛み、恐怖でその行動が止まるから。
しかし、なぜ殴られたのかはわからない。
要するに、しつけをするのであれば、良くない行動がなぜ良くないのか、してほしい行動はなんなのかを伝えなければならない。
体罰はしつけではない。
子どもに伝わることは
痛み、恐怖だけではなく
人を暴力によって思い通りにできること
暴力は学ぶものだから
繰り返される暴力で命を落とすのはいうまでもないが、多くの子どもたちはその壮絶な家庭の中で、生き抜いておとなになっている。
自分の受けた虐待について、信頼できる人との出会いの中で語ることができたら、暴力による支配をする人にらはならないだろう。
アメリカでの追跡調査では、虐待を受けて育った人の三分の二は、暴力を振るわない人生を選んでいるからだ。
法が改正されることは一定の効果をもたらすかもしれない。
しかし、被虐待児の真摯な訴えや救いを求める目に敏感なおとながもっと必要なのではないかと思う。